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ふくひめライブ--絹の絃、人形浄瑠璃文楽と落語

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政岡忠義の段/伽羅先代萩

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人形浄瑠璃文楽4月公演

すごい・・って
もうあたりまえのことですが
呂勢さんと清治さんです

もうずいぶんこのカップル長いのではないでしょうか
画期的であり、どこまで続いてくださるかドキドキであり


裃、というのではないのか、肩衣ですか
なんだかすごい柄というのか織というのか
絢爛たる
うーーん(自分のなかで賛否両論)
これは大夫さんが用意するもの
とうかがっておりますが


奥より沖の井と八汐さま
八汐だけさまづけ

上手より政岡、鶴喜代君を伴い
じゃないのか
鶴喜代が政岡を伴うのか
いややはり政岡が・・・でしょう

わけわかんないのもいい加減にしておかないと

おお
下手奥よりかわいいファンタジーな袴姿のレディが

前のめりがいっそうかわいらしさを、妖精くささをひきたてる
左は文昇さんでしょう

そこに世にも愛らしく健気に千松がお菓子に飛び掛る

命を賭した演技である
(私ねえ最近までこれ演技だと思ってなかったの
ほんとに子どもだからお菓子欲しくて飛びついた
と思っていたの)

苦しむ
これは演技では・・な、い
ん?演技か

またわからなくなっている


それをここぞと、制し捕らえる八汐
これは計画通りなのか
サプライズにここぞを掴みかかったのか

そんなことがいまだわからぬ私を笑ってやってくださいませ

八汐が笑う
おーほーほー

これも大笑いのひとつの派生なのだろうが
残念ながら今一つ迫真に満ちていない
次回よろしくお願いします

なぶる
そして短剣をついに突き立てる
あまりにもあっけない

政岡から魂が抜ける
放心している

そこで空気が換わる
舞台の空気を換えられる人形遣いさんはそうはいない
そうは、じゃない、まず、いない

和生さんはその瞬間に私の目を覚ます

静止して動かない人形が
心だけで舞台の、劇場の空気を自分の世界に入れ換え染める

放心と言ったが
違うかもしれない

ぴくりとも揺れず---

やがてかくり、と美しく揺らぎ

そしてまた静止する

空気を保ったまま
そして栄御前と対峙する

渡会銀兵衛の妻?
八汐のことなのね
あらなんだかあたし全然わかってないのが露見してきたぞ

栄御前の夫が梶原景時
いいのでしょ?それで

文雀さんがお遣いになっているんですよ
高貴なお姿見せてくださっている
というだけでうるうるうるるるとしてしまいますが

さすがに体がほんとうではないだけあって
お人形の姿勢はやはりくしゃっとしているのは否めない

でも文雀さんの妖精はしっかり存在している
天然の栄御前は妖精なのだ

お人形を心で魂で捉えることは可能だ
私は得意だ

栄御前はごちそう
そういうお役だ

極めてきわめてぜいたくなごちそうをいただく
文雀さんにお礼を


ふわりとした妖精が政岡と向き合う

八汐はそんな極悪ではない
これまでのようなお尻が落ち着かないような残酷さをみせない
私はそれでよい

文司さんがお遣いの八汐ならそれでよい
申し分なく存在は示している
人形芝居は品よくあってほしいのだ、私は

栄御前が不思議なお茶目さで政岡にささやく
--とりかえたのだろ? うまくやったのう、本望であろ?
表情が生き生きとはずむ

政岡はゆらゆらゆれている

そんなことは気にせず妖精は悠然と袴をひるがえし天然ファンタジーをまとって去ってゆく
この場でのお役目は果たした

あぜくらの集いのとき
和生さんはずっと緊張を続けるとお客さん疲れる
だからどこかで抜く
とおっしゃっていた

ほかの人形が動いても心で舞台を統べていなければならぬ政岡を遣われるにおいて
いったいどこで空気を抜くか

左遣いさんがうちかけを広げる
政岡は放心のまま

中央には千松が頭をこちらに向けて仰向けに置かれている
健気な賢い子がもう2度と動かない
それを受け止めなくてはならない

だめだ
泣く、泣いてしまう
血も涙もない女である私が

どこかに芝居なんかにだまされてはいけない
沽券にかかわる!
そんな意識があるのだ根底に

沽券なんて持ちようのないやつなくせに
かわいくないだけなのだ
素直じゃないだけなのだ

のめりこめないのは集中力がないから
つまり頭が弱い
それは沽券とは別である
ホントに情けないやつ


抱き上げ
--でかしゃった--

清治さんの音色がさらに涙を加速させる、どうしたらいいのだ
なんという音だ
これはこの世のものではない

そして初々しさのなかに透明に美しい政岡はもう
生まれたときから政岡でした
とそこに存在する

クドキ
千松へ捧ぐ
--出羽奥州五十四郡の一家中、所存の臍を固めさす誠に国の礎ぞや--
と建前と忠義で褒めてあげる

宮仕えの母とほんとうの母と
--可愛やなあ--

--君の御為かねてより覚悟は極めていながらも
せめて人らしい者の手にかゝつても死す事か--

--素性賎しい銀兵衛が女房づれの刃にかゝり


忠義ひとつの政岡ではなく

知性が着物とうちかけ姿でそこに
高貴な生まれとホンモノの教養を備えたひととして
慈愛とあたたかい色香を醸成する


卑しき女房づれ八汐の気配を察し

やはり人形遣いさんの表情をみてしまう
文司さんも既に一級の方であることはその表情から明らかに伝わる

八汐の最期はあっけない

沖の井の動きも気負いなくさりげないまま
ここにおいては浄瑠璃には珍しく完全なる勧善懲悪が実現され

さらりと見える
とさらりと書いてしまっているが

床にせよ、人形にせよ
どれだけのエネルギーをこめ消耗しておられるのか

へとへとでらっしゃるのでしょう
気負いなく上品に演じること
素人な客を極度に疲弊させず、心地よく涙を流させ、それを後味よく昇華させるために

どれだけ苦しまれているのか

静かな表情の千松にとどめを刺させ
われわれ拍手ししばしの涙の歓喜によいしれるものの

すべてが終わったかと
政岡の美しさの余韻に浸る暇もなく
心中慮る暇もなく

我々は--油断ならざる縁の下--へ

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