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ふくひめライブ--絹の絃、人形浄瑠璃文楽と落語

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松右衛門内から逆櫓/咲太夫・燕三Pt.2/ひらかな盛衰記

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人形浄瑠璃文楽8月公演 第二部

咲大夫さんは必ずきっちり紋の入った見台です
素材はいろいろあるみたいですけど、きょうは黒の塗り

白湯汲みはつばささん


燕三さんは重厚にゆっくり
客のますます熱い視線に、ずっしり応えくださっています

ジャン
--妻恋ふーー鹿の果てならで

権四郎が中央まで歩いて

その傍らで何を待っているのでしょう、およし
かわいい、手がちょとぎこちないところがなんとも初々しい

どきっお筆の名を咲大夫さんが
出る、そろそろ現れる

場内は鎮まっている(あたりまえだけど)

足音は聴こえなくとも
咲大夫さんがそうおっしゃっている

どきどき
静かです、そして長い、わずか何秒かであるはずなのに

出る
旅支度のお筆さん
彼女はいつでも軽やかだ
和生さんのお人形はいつでも軽やかに飛翔する

重い役目を背負っていてもすっきり微笑するカシラは清らか
なぜにそこまで突き抜けてそよ風ですか

後ろ姿もよーく見せてくるりとまわり
きらきら、愛嬌がこぼれる清冽な、武家そだち
(舞の心得もあるのよ)


--松右衛門さまはこなたか--

ここまでどういう旅程を経ていらしたか
どれほどの苦労をしていらしたか
それは見えなくてよいのです

それを私は読んでいないから^^;
でも苦労など微塵もなくこぼれる微笑でそこに立ち
いいのです、あなたはその清涼感でそこにいてくだされば

見とれている間にいつのまにか
およしは権四郎パパの肩をたたいていたのでした

お筆は和生さんしかありえない
未来永劫
と唐突に言いだす---だってほんとだもん

紋十郎師匠という方が素晴らしかった、とかいう噂
幸い拝見しておりませんので

およし
あたしの松右衛門に女っ!!
と父の肩を叩く手に心、じゃなくて力がこもる
でもこういうところも、勘彌さんだと品がよいでござる
父に甘える甘さがこぼれる

--どなたぢゃ、お女中--遠慮せず入らっしゃれ

おお、おうれしや--
このセリフ葛の葉みたい
文雀・和生系人形の品性をさらに際立てる、よくお似合い

黒紋付できりりと、それを和らげる笑顔きらきらのキレイなおねえさま
帯と帯揚げがパキっとしてねぇ、すてき

笈ずるを見せる
権四郎--うわーっそんならこなたは?!

咲大夫さん、よいですねえ(しみじみ)

権四郎うれしい
立ち上がる、舞い上がる
そうか、やっと・・・そうか、そうか

うれしうれし

それにお筆は顔を少しそむける
完全にそむけたりしない

お筆、上手上座にそそそーと権四郎に運ばれてしまう

--大事に大事にしてましたぞ、よく連れてきてくれました、ハハハ(いない)
それにお筆もきれいに手をついてお辞儀を返し

お筆うつむく、でも語らなくてはならない
ミッション

みごとな角度でお筆で手をつき、首を傾ける
自分のいちばん美しい角度を知り尽くしている

--このつちまはなぜ遅い
そわそわそわ
およしも探す、どこにいるの、つちま、きょろきょろ
門口まで行ってみても

あら、まだなの・・どしてかな

お筆、うしろを向いてしまう
娘の可憐なカシラでなんと重い使命を帯びているのか

松右衛門内からは左は文昇さんになっているようです
足は同じく玉誉さんでしょうか、わからないですけど

お筆、こんどはすすすす、と権四郎を上手に据えて

--そのお子は--
あえなく--

泣き崩れ

--なりたもう--
伏して--

たっ、たっ、とはいかにー権四郎は舞
舞ってしまう

お筆はきれいなままだ、凛と姿勢を崩さず、修羅の顛末を語る
手をついて、双方に向き直って手をついて
そして
舞いながら語る

音楽が義太夫じゃなくて地歌だったらなあ、と思うことがあるのですが
だから義太夫がキライなんじゃなくて
もっと好きなものがあるということです
(またカンケイない話になっている)

--とりあげてみれば悲しやお首がーーー

ない

燕三さんの音色が美しい
美しく運ぶ
修羅場であろうと

お筆が語るのだもの

--人の大事の子を殺しなにを代わりに若君を-

お筆の胸の曲線がきれいですね、和生さんの着付け、そして動きと
ありのままを語る胸
純粋さが満ち満ちているようなふくらみ

きちんと座り、娘らしい清潔さで泣く
お筆、どの程度頭の中で描きながらここにやってきたのか
頭で描いたとおりでしょうか

観音降臨かと思われたお筆のことばに底に突き落とされた権四郎とおよし
およしの表情が悲しい、老女形の薄い眉が悲しい

権四郎ががっくり、力失いうなだれる
肩の角度が悲しい

浄瑠璃なのだ
と感じる
これこそが浄瑠璃の真髄でしょう、と

--とりあげてみたれば
と、笈ずる示し

--若君をお戻しください、お願いです
黒紋付姿の様子のよいこと
黒いキモノの美と人形の美と

燕三さんの音色があまりにも美しいからこのままーー
--なんてことはないのです

権四郎--涙を老いに--肩をふるわせ
お筆も肩をふるわせ泣いている

およしの表情が悲しい

権四郎はひとり酒徳利

およしの目がうるんでいます、泣いています
もうろうとしている
涙があふれる

およしのクドキ
--待ってたんです、待ってばかりいたんですよ
笈ずるを握りしめ

最高の悲しみを背負うのはおよしであるはず

話の中心にいるお筆の胸にまた見とれる
かしらを傾ける角度
これほど美しいものがあるとは
これに出会えた幸福に感謝する

この芸能に出会えたことに感謝する

権四郎はお酒--飲み始めた

すべてに身をまかせていられる
いえ、私のことです
なんの文句もありません、そのままで
そのまま演技を続けてくださっていればよいのです

主演権四郎---玉也さん
あまりに自然に贅沢な
そして

お筆、和生さんがこの世にあることにどなたにお礼を申し上げたらよいのでしょう

およしは観音さまを恨むという
わかる、わかりすぎるその気持ち

お筆は瑞々しくおよしを説得しようとするが・・
不調

お筆の右手がすとんと落ちる
肩も落ちる
すべてに余韻を含んで

知性を湛えて微笑む
帯と帯どめと胸も清潔にぱきっと彼女を彩る

和生さんのお人形は清潔でかわいい
そしてそこから生まれる限りない知性があります
かしこいひと
それがたまらない(自分にないものを求める)

権四郎--キレた
--だまれーーーっ
咲大夫さんが手を、テン、と突く

でーーんぐりがえるぞーーい

権四郎の悲しすぎる恨みのクドキを
お筆へを責める詞章を聴きながら

燕三さんの汗と苦しい音色を聴きながら

お筆はこらえながら、少しずつおよしの方に動いている

これは私の役目ですから
天命ですから

権四郎、大津絵をとりあげ捨ててしまいました

玉也さんの自然な演技が語りがなんてありがたいのでしょう
無言で語る玉也さん
存在のありがたさ、奇跡のようなひと

すべての奇跡がかさなる人形芝居

これからお筆は--

そこで上手の座敷の障子が開くーーー

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